ツワブキ(俗にツワ)
(キク科)
(キク科)
■ 解説
春の行楽のツワ取りは今も昔も人気があります。海岸近くの山野から田園。山間部まで広く自生する多年生常緑の薬草で、食用になるのは若い葉の柄です。また、深緑の葉と黄色花は観賞用に広く栽培されています。
■ 形態
長い柄をもつ葉は、太い根茎から数本生え、円く腎臓のような形をしていて厚く艶がありすべすべしています。若葉ははじめ内側に巻き込み、全体がやわらかな灰褐色の毛で覆われています。この状態でないと食用として適さないのでツワ取りは春の新葉の出る頃をねらいます。10月頃になると葉の間から花茎を伸ばし、枝を出してその先に黄色で菊の形をした頭状花をつけます。
■ 採取と調整
生の葉を薬用とするので、必要に応じて年中いつ採集してもよいです。
■ 薬用途
①打撲、擦り傷、切り傷、腫れ物、神経痛には生の葉を軽く火であぶった後、手でもんで汁が出るくらいまで軟らかくしてから患部に貼って包帯をまいておきます。②下痢には若葉を味噌汁の具にして食べるとよい。③食あたり、青魚中毒には葉を煎じてのむとよい。食あたりで腹痛をおこした時には生の絞り汁を多めにのむと食べたものを吐き出して治るといいます。
■ 食用
食用には若葉を使用しますが、一晩灰汁(あく)に浸してから皮をむき、ゆでておひたしなどにするとおいしいようです。