別名"イヌトウキ"(セリ科)
300~400年前の江戸時代、薩摩藩の霧 島地方に“ミヤマトウキ”と呼ばれる薬草が、その土地の人達に知られていました。
後に日本山人参と呼ばれるこの薬草を、人々は「神の草」や「無病長命の幻の薬草」と呼んで大切に保存していたそうです。その後、日本山人参は希少植物であったため絶滅したと思われていたのですが、戦後になって高千穂の奥山で発見され、再び脚光を浴びる事となりました。
現在、日本山人参は高千穂地方と気候風土がよく似た大分県の九重地区などの高冷地で、厳重な管理のもと完全な無農薬栽培によって作られています。
日本山人参は、和漢医薬学会や東洋医学会、日本生薬学界等でもC型肝炎、ガン、糖尿病、各種アレルギーに対して著しい効果が発表されているようです。
日本山人参は、朝鮮人参と混同されることがありますが、朝鮮人参はウコギ科に属する植物で、日本山人参はセリ科の植物です。
そして最も大きな違いは、朝鮮人参は血圧を上昇させる傾向がありますが、日本山人参にはむしろ血圧を下げる作用が証明されているという点です。
しかも、この血圧低下作用は高血圧状態においてのみ現れるものであって、血圧が正常な人や低血圧の人には現れません。
このような作用調節作用は多くの漢方薬や生薬に共通する特徴であり、血圧に対しても上げすぎたり下げすぎたりという心配がまずありません。
日本山人参に関する五大作用を挙げてみますと、
1)坑動脈硬化作用
2)坑炎症・坑アレルギー作用
3)坑ガン作用
4)強精作用を兼ねた坑ストレス作用
5)坑糖尿病作用
と言われています。現在は健康食品として発売されており、当薬局でも取り扱っていますが、血流の悪い方や糖尿病の方などに実際に服用いただいて、確かに血流が良くなり“しびれ”や“痛み”が楽になる方が多いので、今回この薬草を御紹介させて頂きました。
この薬草は日本特有の薬草ですので、日本人の体質によく合うのではないかと思います。