ツバキ(ツバキ科)
生薬名"山茶(やまちゃ)"
生薬名"山茶(やまちゃ)"
■ 解説
名前の由来は「厚葉木(アツバキ)」で、葉が厚いのでアツバキから呼び名がツバキになったとされます。日本、中国、東南アジアまで広く分布する常緑高木、または低木で中国に多くの種が分布しています。また、ツバキには多くの園芸品種があり、日本の観賞花木として世界的にも有名です。近年、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、中国などでも栽培が盛んで新品種もたくさん作られています。
■ 形態
ツバキとサザンカはよく似ていますが次の点で見分けることができます。①花びら・・・ツバキは枯れるときに花全体がポトリと落ちますが、サザンカは一枚ずつハラリハラリと落ちていきます。このことから昔の武士は打ち首を連想してツバキの花を嫌ったということです。②子房(めしべの根元)・・・ツバキは毛がないが、サザンカの子房には毛が生えています。
■ 採取と調整
花と葉を使用します。花は開花期に集めて陰干しにしてから乾かし保存します。白い花は効き目が良いとも言うので取っておきます。葉は必要の都度採取します。
■ 薬用途
漢方大家の故大塚敬節先生著「漢方と民間薬百科」によると、①関節や筋違えには、葉4~5枚に甘草2gを加えて煎じ一日分として飲みます。②"こしけ"には葉の黒焼きと生葉を等量混ぜ合わせたものを一日3~5g服用します。③吐血、下血に白ツバキの花(生でも乾燥でも可)一日量3~5gを煎じて服用します。④ヤケドに花の粉末をツバキ油かゴマ油で練って患部につけると良い。⑤滋養強壮には乾いた花を細かく刻み、茶サジに軽く一杯、湯のみに入れて熱湯を注いで健康茶として飲みます。便通を整え美容にもなるとのことです。