カラスノエンドウ(マメ科)
■ 解説
カラスノエンドウは春によく見かけるマメ科の2年草です。よく熟したさやを切り取り、さやの背側を切り裂いてから中の種子を取り出し、先端を口にくわえてピーピー鳴らす遊びを子供の頃にされた方も多いのではないでしょうか。よく似た種類にスズメノエンドウやカスマグサがあります。カラスノエンドウの名前の由来は、果実(さや)が熟すと黒くなるので "からすの豌豆"といいます。スズメノエンドウは、カラスノエンドウより小さいので"すずめの豌豆"というようです。大きいほうをカラス~、小さいほうをスズメ~と呼ぶ例はその他にも多いようです。
■ 採集
採取時期は4~5月、豆に似た実、または花のついている全草を採取し、水洗いした後に日干しにして使用します。
■ 薬用途
血行をよくする作用があり、その他にも胃もたれがあるときに適量の水に入れて服用すると胃炎に効くと言われています。又、鎮咳、去痰には種子を煎じて服用します。元来、種子は食用にもなるものなので、用量は特に制限しなくても大丈夫のようです。古来より薬草や食用として利用され、以前はどこにでも見られたカラスノエンドウですが、ツクシなどと同様、雑草でもあるために除草剤などで駆除されてしまい、見る機会が減ってきているのが現状のようです。自然を生かして、これらの恵みをもっと大切にしていくことが大事なのかもしれません。