スイバ(タデ科)
■ 解説
スイバは、春先の葉っぱや茎を噛んでみると酸っぱいので"酸い葉"から名前が付いたとされます。酸っぱい味の正体はホウレンソウにも多く含まれるシュウ酸やシュウ酸カルシウムが原因で、多食し過ぎると腎臓や肝臓に障害を起こす可能性がありますので食べすぎは控えた方が良いでしょう。以前、説明した"ギシギシ"とよく似ているのはどちらもタデ科であるからで、スイバはギシギシと比べて葉の形が短く、矢じりのような切れ込みがあり、花が成長すると赤褐色に変化するので見分けがつきます。日本では雑草として扱われるスイバですが、フランスでは"ソレル"という名前で栽培されて若い葉をサラダにしたり、スープに利用したりもするそうです。
■ 形態
スイバは、日本各地~アジア~ヨーロッパと世界に広く分布している多年草で、草丈は50~80cm位に成長し直立しています。全体に毛はなく表面は滑らかで紅色を帯びています。花は春先から夏にかけて深紅か淡緑色の小花を茎頂に多数つけます。
■ 採取
薬用には開花期に地下部の根茎を掘り取り、よく水洗いしてから日干にしてよく乾燥します。
■ 薬用途
1)生の根茎をすりおろした物は抗菌作用があり、水虫、たむし等の患部に塗布すると良く効きます。
2)花を乾かして煎じて服用すると健胃、解熱の効があり、一回の煎じる量は1~2gとします。
3)常習便秘には乾かした根(できるだけ一年以上経ったものが良い)を3~8g煎じます。しばらく煎じて汁が茶色になったら火からおろし、2~3時間そのままにして汁の色が濃い茶色になってから濾して寝る前に服用します。