タムシバ(モクレン科)
生薬名"和辛夷"
生薬名"和辛夷"
■ 解説
春の庭先で開花するモクレンの仲間で、時々葉面にタムシ状の斑点ができる事から"タムシバ"の名の由来となったとされています。本州・四国・九州の日本海側の山腹や尾根筋に多くみられ、庭木としても栽培されます。
■ 採取と調整
早春に、開花前のモクレンの蕾を採取し、乾燥させたものが生薬の和辛夷です。異物の混入がないように、十分に乾燥したものを密閉容器に入れて保存します。風通しのよい暗所に保管し、湿気や虫食いに注意することが大切です。
■ 薬用途
辛夷には芳香があって、精油を含み、噛むとわずかに辛味があります。鼻カタル・蓄膿症・頭痛に用います。辛夷をきざみ、一日量二~五gに水〇・五リットルを加えて煎じ、約半量まで煮詰めて三回に分け食間に服用します。
春は花粉症の時期でもあり、辛夷の入った漢方処方である葛根湯加川きゅう辛夷は、鼻炎の初期で鼻詰まりのある時に大変効果がありますし、辛夷清肺湯は蓄のう症で濃い鼻水がでる場合に用いられます。
つらい鼻炎は、ひどくなる前にこれらの薬草で対処したいものですね。