ニラ(ユリ科)
生薬名"韮子(きゅうし)"
生薬名"韮子(きゅうし)"
■ 解説
ニラは、“にんにく”などと同じユリ科でネ ギの一種です。
中国が原産で、シベリア、モンゴル、アムールなどに分布しています。
日本には9世紀頃に中国から伝わったとされ、日本の古い書物である「古事記」や「日本書紀」にも登場し、古くからスタミナのつく野草として扱われていま す。ニラの葉は、生で食べたり煮て食べたりしますが、最も有名なのは餃子の材料としてでしょう。
■ 採取と調整
露地ものの収獲は4~9月で、傷みが早いので晴天日に収獲して即日出荷されます。葉は韮菜(きゅうさい)、根と鱗形は韮根(きゅうこん)、種子を韮子(きゅうし)といい、生薬原料としては韮子が用いられています。
■ 栽培
ニラの栽培は、庭先で簡単にできます。
9月頃に株分けしたニラを株間15~30cmくらいで植えつけます。
11月頃と3月頃に木灰などを肥料として与え、4~5月頃に根元から刈り取ると新しくて柔らかな葉が出てきます。
これを年に3回ほど繰り返します。
■ 薬用途
韮子は強壮、強精、止瀉薬(ししゃやく)としてインポテンツ、頻尿、下痢などに一日量2~8gを3回に分けて水で服用します。
更に、ニラにはビタミンやミネラル、カロチンが豊富に含まれており、カロチンやビタミンC、Eはガンに対する抵抗力を上げる働きがあるといわれており、ニラの臭いのもとである硫化アリルには胃液の分泌を促がし内臓の動きを活発にする働きがあります。
本格的な夏に向けて、食事にも気をつけてニラで体力をつけておきましょう。