ショウガ(ショウガ科)
生薬名"生姜(しょうきょう)"
生薬名"生姜(しょうきょう)"
■ 解説
ショウガは弥生時代に中国から稲作と共に渡ってきたもので、元々、原産はインドの熱帯地方の為、日本では暖地で希に花をつける程度で一般には温室栽培しない限り花はつきません。その為、日本では種子ができないので栽培にはすべて地下根茎の株分けをすることになります。4月頃に植え付けられたショウガは、秋の彼岸前後に「葉つき新ショウガ」として出回ります。味噌などにつけて生で食べるか、梅酢に漬けて赤く染め、漬物や香辛料にします。
■ 薬用途
香辛料として生活に深く結びついたものですが、坑けいれん作用、でんぷんの消化促進作用、水分代謝をよくし肝臓の働きを盛んにするなど多彩な働きがあります。また、唾液、胃液の分泌を促進して消化を助け、腹にたまったガスを排出するので、健胃、利胆、駆風、鎮咳、去痰剤にもなります。"つわり"の吐き気には、ひねショウガ、半夏(はんげ)各6g、茯苓(ぶくりょう)5gに水0・2リットルを加えて煎じ、約半量に煮つめたものを1日3回に分けて食前か食後に服用します。漢方的にも生姜は数多くの漢方処方の中に含まれる最も重要な生薬の一つで、胃寒による嘔吐(感冒・消化不良などによる嘔吐)に用いることになっており、古人は生姜を"治嘔の要薬なり"と称して大事にしてきました。実際、夏場は冷たい飲食物を摂取することが多いため、吐き気や下痢などの消化不良の症状を訴えてこられる方が多いのですが、生姜瀉心湯(しょうきょうしゃしんとう)を始めとする生姜配合の処方で、殆どの方が治ってしまわれます。その上、"つわり"などの妊婦の方でも安心して服用できる処方もありますので、体に適したお薬をご相談頂くと良いでしょう。