アマチャヅル(ウリ科)
■ 解説
名の由来は、葉っぱをなめると甘いツル植物であることに由来します。しかし、アマチャヅルは同一株でもツル毎に成分が異なり、実際には苦いものも多いようです。薬用として初めに利用し始めたのは中国人で、消炎解毒、鎮咳去痰、慢性気管支炎としてでした。その後、日本の竹本教授という人がアマチャズルからオタネニンジン(薬用人参)中に含まれる成分と同一のものが多数含まれることを発見して以来、にわかに重要な薬草として注目を集めるようになりました。
■ 形態
日本、朝鮮半島、中国、インド、マレーに広く分布し、佐賀県内では山地の樹下に点在し、玄界灘の島々では日向にも 生えます。地下茎は地中にあり、茎はつるとなって長く伸びます。葉面には細毛が散生し、8~9月頃に円錐状に黄緑色の小花を多数つ けます。果実は液果で熟すと黒緑色になります。
■ 採取と調整
8~9月の晴天の日を選んで、茎葉を下葉1枚残して刈り取ります。そして、水洗いしながら泥やゴミを取り除 いて少しずつ束ねて吊るして水をきります。生乾きの時は2~3cmくらいに刻んでさらに天日でよく乾燥させます。
■ 薬用途と用い方
オタネニンジンに含まれる成分を多種類含むことが判明し、一時期アマチャヅルブームが起きましたが、オ タネニンジンのように興奮作用を示す成分は含まれないので代用にはなりません。しかし、鎮静作用があるためストレスが引き起こす色 々な疾患には効果が期待できます。 その他にも老人性慢性気管支炎、胃かいよう、十二支腸かいようの予防と治療、強壮剤としても効き 目があるようです。比較的新しく開発された薬草であるため、今後多くの薬効が発見されていくことでしょう。