スイカズラ(スイカズラ科)
生薬名"金銀花(きんぎんか)"
生薬名"金銀花(きんぎんか)"
■ 解説
山野田園路傍等いたるところに普通に見られる常緑のつる性植物です。つるは右巻きにのび、葉がこれに対生し、この葉は冬でも枯れずに寒さに耐え忍ぶので「忍冬(にんどう)」の別名があります。また、初夏に咲く花は始め白で、後に黄色へと変色します。この時の白と黄の花が入り乱れて咲く様を金と銀に例えて「金銀花(きんぎんか)」と呼ぶこともあります。管状の花を引きぬいて細い方を口に含むとよい香りと蜜の味がするので、子供時代にこれを吸って遊んだ方も多いのではないでしょうか。"スイカズラ"の名前はここから生まれました。
■ 採取と調整
秋から冬にかけて、葉のついたまま茎を採取し、刻んで天日で乾燥させます。これを漢方生薬の"忍冬(にんどう)"といいます。4~5月の開花期に花蕾を摘み取って風通しのよい日陰で広げて乾燥させたものが漢方生薬の"金銀花(きんぎんか)"になります。
■ 薬用途
全草に収れん、利尿、浄血、解毒の効果があるので、皮膚病、はれもの、化膿性疾患、腸炎、関節痛や腰痛、打ち身、子宮内膜炎、リウマチの初期、痔疾など色々な疾患に有効です。いずれも10g位を水0・5リットルで半量になるまで煎じて3回に分けて飲むと良いようです。又、金銀花(きんぎんか)は、牛黄解毒片(ごおうげどくへん)という漢方薬にも配合されており、当薬局でも患者さん達の皮膚病やアレルギー、のぼせ、胃腸病などに用いていますが、とても評判が良く、特に赤く炎症した難治の皮膚病に効き目が良いようです。