ニッケイ(クスノキ科)
生薬名"桂枝(けいし)"
生薬名"桂枝(けいし)"
■ 解説
ニッケイは漢字で「肉桂」であり、以前より "ニッケイ"や"ニッケ"と呼ばれて親しまれてきました。しかし、最近では"シナモン"という呼び名の方が多くなってきたようです。肉桂は、お菓子の京都 八つ橋やシナモンティー、カレーのスパイスなどとして使われており、一般の方にも馴染みの深い生薬です。そして、漢方薬の分野では、初心者が最初に覚えな ければならない大事な漢方薬が、ニッケイが主剤の「桂枝湯(けいしとう)」という処方です。以前は、日本でも九州南部や和歌山などで栽培されていました が、現在では味や香りが優れている中国・東南アジア産に押されて廃れてしまいました。しかし、佐賀県内でも寺院の庭や一般の庭園で希に見ることができます。
■ 採取と調整
5~6月になるべく小さな根を掘り取り、水洗いして叩いて皮をはがしてから日干しにします。しかし、家庭で栽培、収獲することはなかなか難しいので、薬局、薬店で刻み生薬や粉末を買い求めることもできます。
■ 薬用途
健胃、整腸に、乾燥した根皮の粉末0・3~1gを一日3回に分けて食前に水で飲みます。五十肩、腰痛には陰干しした葉を 布の袋に入れてお風呂に入れます。漢方薬の桂枝湯(けいしとう)は、体力が衰えた時の風邪の初期によく使用され、とても効き目が穏やかな漢方薬なので、強いお薬では副作用が出易いような方に服用頂いて大変評判が良いようです。