イチジク(クワ科)
生薬名"無花果(むかか)"
生薬名"無花果(むかか)"
■ 解説
小アジア原産で、日本には江戸時代に中国を通じて長崎に伝えられたのが始まりと伝えられています。 イチジクの名前の由来は、果実が1ケ月で熟すからという説と、1日に1果実ずつ熟すからという説があり、どちらにしても"イチジュク"が変化してイチジクになったようです。
■ 形態
落葉性の小高木で、茎葉ともに傷をつけると白色の乳液がでます。葉は互生していて葉裏には粗い毛が密生しています。
5~6月ころ、葉のわきに卵形の花のうをつけ、内側にたくさんの白色小花をつけるが外側からは見えない隠頭花序です。果実は熟すと暗紫色になり、果肉は甘くて美味です。
■ 採取と調整
8~9月頃、熟した果実を摘みとり水洗いしてから日干しで充分に乾燥させたものを生薬の無花果(むかか)といいます。また、真夏に葉を採取して水洗いしてから天日で乾燥させたものを無花果葉(むかかよう)といい、これも薬用として使用することがあります。
■ 薬用途
便秘やのどが痛むときに乾燥した無花果10gを水600mlで半量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用します。また、葉や枝を切った時に出る白乳汁をいぼにつけると取れると言う人もありますが、アレルギー体質の人はかぶれやすいので注意した方が良いようです。また、無花果葉(むかかよう)を浴剤としてお風呂に入れると身体が温まり、神経痛、リウマチ、冷え性にとてもよいと言われています。