クリ(ブナ科)
■ 解説
日本と朝鮮半島に分布し、山野に自生したり果樹園で栽培されたりしています。クヌギ(俗にいうドングリ)と間違えやすいですが、ドングリの樹皮には深い裂け目があるのに対し、クリの木の樹皮はスベスベしているので区別ができます。
■ 形態
山野に普通に見られる落葉性高木で高さ10~15mくらいになります。6月ころに15cm位の細長い穂に黄白色の花をたくさんつけ、特異な甘い香りを放ちます。秋になって実が熟すとイガが割れて中から栗の実が転げ落ちてきます。
■ 採取と調整
葉は春から秋にかけて採集し、イガは秋に落ちたものを拾って使用します。
■ 薬用途
湿疹、かぶれに生葉を揉むかすり潰して汁を塗るとよく効きます。山歩きで草まけしてかゆい時など非常に助かります。かゆみがひどい時は葉を煎じた液で患部を洗うか煎じ液を風呂に入れても良いようです。その他にも百日咳に乾燥葉の煎じ薬を服用したり、腎臓病に乾いたクリの実20gを1日量として煎じ、食間に飲むと良いと言われています。これは、つまりクリをゆでたときにできるゆで汁をのむと良いということです。民間療法とはつくづくバラエティーに富んでいるものだと思います。