キキョウ(キキョウ科)
生薬名"桔梗(ききょう)"
生薬名"桔梗(ききょう)"
■ 解説
キキョウは根にサポニンを含んでいます。サポニンは多量に飲むと吐き気を催すことがありますが、適量では気管分泌物の排出促進と泡立ち作用があり、たんが出やすくなるため、昔から鎮咳去痰の薬草とされています。
■ 形態
花がとてもきれいなため、古くから親しまれて庭によく栽培され、切り花として利用されてきました。自生品の殆どは青紫色の一重で、日本各地と朝鮮半島から中国東北部にかけて広く分布します。韓国では根を食用にするところもあるようで、その場合は花の色が白くて太い桔梗の根を、漬け物や山菜として使用するそうです。
■ 薬用途
せきやたんが出るとき、のどの痛みの激しいとき、声がしわがれたときに用います。乾燥して保存しておいたキキョウの根を粉末として一日5~6gを3回に分けて服用するか、刻んだもの5~8gに0.5リットルの水を加えて煎じ、半量になるまで"とろ火"で煮つめてから布でこして、煎液を一日3回に分けて食間に、なるべく温めて飲むようにします。これからの寒くなる時期、当薬局でも桔梗配合の風邪薬がよく出るようになります。手洗いやうがい等の風邪予防も大事ですが、それでも風邪がのどに来てしまったときは、桔梗の力を借りてみられると良いでしょう。