クスノキ(クスノキ科)
生薬名"樟木(しょうぼく)"
生薬名"樟木(しょうぼく)"
■ 解説
佐賀県の県木であり、県花でもあるクスノキは、名前の由来が"クスリノキ"或いは"クサシ(臭いがする)"に由来するものといわれています。木そのものに特異な芳香の精油成分を含んでおり、これが害虫に対して抵抗力をもっているため、巨木に育つものが多く、木は乾留すると樟脳(しょうのう)ができます。
因みに全国の巨木ベスト10に佐賀県のクスノキ2本が入っています。
■ 形態
常緑の大高木になり、樹皮には縦に細かい割れ目があります。5~6月頃に新枝の葉のわきに円錐状に白黄色の小花をつけます。
■ 薬用途と用い方
木、枝、葉から取れる樟脳は、カンフルという成分を含む為、防虫剤のほかに医薬品の強心剤として用いられます。その他に局所刺激作用や防腐作用もあり、皮膚病の外用薬としても用いられます。又、跌打酒(しつだしゅ)というお酒は当帰60g、紅花30g、蜀椒30g、肉桂60g、樟脳15g、細辛15g、乾姜30gを混ぜて95%のアルコール2リットルに1週間浸漬したもので、打撲、捻挫などの内出血や疼痛などに外用します。又、腹部膨満、腹痛には水浸液か油浸液を温めて腹部にあてておくと、反射的に腹痛が軽減するようです。しかし、樟脳は人によっては内服によって食欲減退、嘔吐などの副作用を起こす事がありますので、妊婦の方の服用は禁忌となっています。