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製剤・民間薬
民間薬
ヘチマ
ヘチマ(ウリ科)
生薬名"糸瓜(しか)"
■ 解説

熱帯アジアが原産で、江戸時代の初期に中国から日本に渡来したようです。その後、江戸幕府の大奥達の御用に応えて夏の終わりごろになると大量のヘチマ水を小石川御薬園に作らせていたといわれています。
当薬局でも、毎年何人かの方達が夏の終わりになると化粧水を作る目的でヘチマ水を持って来局されています。

■ 形態

一年生のつる性草本で、分枝したまきひげによって他のものにまきつきながら生長し、夏になると葉の脇に黄色の花をつけます。果実は長大なうり果で、果肉は網状に繊維が発達しています。



■ 薬用途

用途としては化粧水の他にも咳、痰、利尿があげられます。
詩人で有名な「正岡子規(まさおかしき)」も、痰を切る目的でヘチマ水を飲んでいたことが詩の中に出てきます。
民間療法で咳、痰、利尿の目的で使用するときは、生の果実を輪切りにしてそのまま煮出してから汁を飲みます。その他にも、種子を月経過多に一日量10gを煎じて3回に分けて服用します。
心臓病、喘息、腹痛、頭痛にはヘチマ水を作るのと同様につるを切り、得られるヘチマ水を沸騰させてから服用すると効き目があるようです。

■ ヘチマ水の作り方

秋になってから地上30cmくらいの所からつるを切り、下の切り口をびんに差し込んでおくとヘチマ水がとれます。
化粧水として用いる場合はヘチマ水1リットルに対してホウ砂0・2gを加えてよく溶かしてから用いるとよいでしょう。

■ 食用その他

果実が未熟な間は苦味がなく、皮をむいて揚げ物や漬け物に用いられ、つぼみは“がく”ごと取って天ぷらにすると美味しいようです。
ヘチマタワシは、実を腐らせてから洗い流して乾燥させて繊維を取り出したもので、硬すぎず柔らかすぎず、これも使い心地が大変良いようです。
他用途に渡って利用できるヘチマは、自宅に1本植えておくと案外重宝すると思います。