フキ(キク科)
■ 解説
春を告げる薬草の一つで、フキノトウは春の山菜の代表格です。
フキは日本を中心に、サハリンから朝鮮半島、中国大陸にかけて分布する植物で、数少ない日本原産の野菜です。日本全国の山野、道端、川岸などの日当たりのよい所に自生するほか、各地で栽培も行われています。
フキの名前の由来は「拭き」に由来するという説があります。フキの葉が、紙や布の代用品として使われていたことによるもので、日本でもトイレットペーパー代わりに利用されていた時代もあります。
■ 形態
野菜としてのフキは、レタス、春菊、ゴボウの仲間で、キク科に属する多年草です。フキは根茎に養分を蓄えて越年し、この根茎から地中を走る地下茎を出して盛んに増えていきます。この地下茎の先から出た花茎がフキノトウです。
■ 採取
食用としてのフキノトウの収穫期は3~5月、フキは3~10月が採取時期です。薬用としてフキノトウを利用する場合は、フキノトウがまだ蕾の頃に採取し、日に干して十分に乾かしてから保存します。
■ 薬用途
乾燥したフキノトウを使用します。
1)せき止め、痰きりに1日5~10gを煎服します。
2)胃病、解熱、食欲増進にフキノトウを味噌煮にして食べるとよい。
3)魚肉中毒に生の茎葉のしぼり汁を飲むとよい。
4)虫刺され、切り傷、止血、はれものに全草のしぼり汁をつけると良い。
フキはこのように色々な効き目を持っているようですが、アレルギー体質の人は多食しすぎると良くないので、分量を守ることが大切のようです。