ギシギシ(タデ科)
■ 解説
日当たりの良い野原や畦、川原などのやや湿った所に自生する多年草です。北海道から沖縄、朝鮮半島まで広く分布し、窒素分の多い土壌を好むので、都市近郊の汚れた河川のほとりや空き地でもよく生育します。姿がスイバに似ていて同じような所に生えているので混同される人が多いようですが、葉っぱの付け根の両端が尖っていればスイバ、丸いほうがギシギシです。
■ 形態
茎は高さ40~100cmで、ほぼ直立します。葉は長さ10~25cmで、茎に互い違いにつきます。花は6月頃に節毎に輪生し、下の方から咲きのぼって長く穂のように群れてつき黄緑色です。夏になると実が熟して褐色になり、三つの翼をつけた実がヒラヒラと垂れ下がります。根は大きく肥えていて多肉で、ゴボウのようになり色は淡黄色です。この根を羊蹄と呼び薬用にします。緩下作用があり、ギシギシに似たスイバも同じ目的に使用できます。
■ 採取と調整
根は、古い株であるほど大きいのが採取できるので良いようです。よく水洗いしてそのままか、輪切りにして日干しで充分に乾かして保存します。この羊蹄根は採集して一年以上経ったものを使うので、新しいのは良くないようです。
■ 薬用途
①便秘症には乾燥させた根4gを煎じて飲みます。便秘には個人差があるので自分に合った分量に加減する必要があり、結石の出来やすい人や妊婦さんの服用は避けた方が良いでしょう。
②生の根をすりおろし、酢と少量の小麦粉かごはん粒を加えて練り、水虫の患部に貼ると良くなるそうです。しかし、3週間は続けることが大切です。