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製剤・民間薬
民間薬
キンカン
キンカン(ミカン科)
生薬名"金橘(きんきつ)"
■ 解説

金柑は、中国における金橘の別名で、中国から鎌倉~室町時代頃に日本に渡来したようです。このとき入ってきたキンカンは果実が球形なマルキンカンと呼ばれるもので、薬用、食用、盆栽などの観賞目的で植栽されました。キンカンとはキンカン属植物の総称で、普通に栽培されているのはネイハキンカンかナガキンカンで、一般にはナガキンカンのことをキンカンと呼んでいます。

■ 形態

ナガキンカンとマルキンカンとは形状が違います。ナガキンカンは果実が球形か長円形で2.5~3.5cm位の大きさです。始めのうちは黄緑色ですが熟すと美しい黄金色になります。枝にはほとんどトゲがなく、花は夏季、葉腋に1~数個の小花を開きます。マルキンカンはナガキンカンに比べて枝に短いトゲがあり、葉の表面は濃い緑色ですが、裏面は淡い緑色をしています。果実は球形をしており、マルキンカンの方が果実に甘味があります。

■ 薬用途と用い方

咳止めやかぜには熟した生のキンカン約10個を丸ごと刻み、砂糖を少量入れて水400mlの中に入れて煮ます。沸騰したら火を止めて温かいうちに煮汁を飲 みます。又、そのままジューサーなどで搾った汁を朝夕1~2個分服用すると不整脈にも良いと言われています。疲労回復にはキンカン酒が良いと言われていま す。作り方はキンカン500gをよく水洗いしてから水をきり、切らずにまるごとグラニュー糖200gとともにホワイトリカー1.8リットルに漬け、2ヶ月 以上冷暗所で保存します。その後、1日1回ぐい飲み一杯程度飲むと良いようです。