キクイモ(キク科)
■ 解説
キクイモ(菊芋)はキク科の植物で、花が菊の花に似ていて地中に大きな塊の茎を作ることからこの名がつきました。しかし、イモ類とは違います。キクイモは道端や空き地などに群生していることがよくあります。本来、キクイモはアメリカインディアンが食べていた食べ物です。17世紀頃に食料・飼料・果糖やアルコール原料として広まり、日本には江戸時代末期に伝来しました。伝来当初は飼料や、フランス料理の食材としても利用されました。しかし、日本人の好みに合わず、食料用としては一部の地域を除いて殆ど広まらなかったようです。戦後の食糧難時代には、生命力や繁殖力の強さからイモ類と一緒に栽培して食べられていましたが、食べ物が豊富になるとまた食べられなくなってしまいました。しかし、飽食の時代となった今、皮肉にも菊芋の働きに多くの注目が集まるようになってきました。
■ 形態
茎や葉には小さな棘があり、草丈は1・5~3m位に成長します。9~10月頃に菊に似た黄色い花をつけ、10月末に地中に塊茎を作ります。
■ 採取と調整
10月末頃に採集される塊茎を健康食品や食用として利用します。
■ 薬用途
キクイモを食べると血糖値を下げるのに有効と言われています。糖尿病の患者さんの中に、インシュリン注射を打ってもなかなか血糖値が安定しない方がおられたのですが、キクイモの健康食品を飲み続けたところ、劇的に血糖値が安定したそうです。特にこれと言った副作用も無さそうですので糖尿病の方は一度お試し頂くと良いと思います。