病気の中には、急性伝染病のように、細菌やウイルス等が原因になっているもの、慢性病の中にも結核のように菌が原因になっているものもあります。これらは専門にまかせることが一番です。しかし、急性・慢性の伝染病にしても、感染するまでには、生活の不自然、心身の不調和などの蓄積が原因で体力・抵抗力が低下していったものと考えることが普通です。こういう風に考えてくると、一切の疾病、一切の病苦は、根源的には心身の不調和、生活の不自然に起因するのかもしれません。漢方では日々、自然に寄り添うおだやかな生活、ストレスを感じない、心身のバランスを整えることが病気の予防、病気の回復に大切であると説きます。それは、誰にも頼ることなく自分自身でできることなのです。また自分自身でしかできないことです。そのことに一刻もはやく気づくことが、最も大切であると説いています。どんな病気でも一番の薬は「病気は自分自身で治す」ということに、はやく気づくことなのかもしれません。