カナムグラ(クワ科)
■ 解説
カナムグラの「カナ」は鉄、「ムグラ」は生い茂るの意味です。即ち、鉄のように丈夫な茎がはびこっている植物だということになります。実際、カナムグラの茎はとても丈夫な上にトゲまで付いているので刈り取ろうとしても容易には刈り取れず、嫌いな人が多いようです。意外なことに、ビールの苦味つけに欠かせない「ホップ」はカナムグラの近縁種であるそうです。確かにホップの実はカナムグラの実に見た目がよく似ています。しかし、カナムグラは人間様にそう易々と利用できるような植物ではないようです。
■ 形態
一年草で、生育期間は3~11月、原野、空き地、荒地、土手、道端などに生育するツル性植物です。茎は長く伸びて葉柄と共に小さいトゲが下向きにつき、他の物に強く絡みつく性質があります。
■ 採集
夏から秋にかけて充分茂った頃に茎葉を採集します。乾かし刻んで保存します。
■ 薬用途
①健胃整腸には全草を煎じて飲むと良いようです。苦いけれども胃腸が丈夫になり、強壮強精にも良いようです。一日量10g程度を用います。
②膀胱炎、淋病にも同様に用いて良います。利尿作用が強くなり解熱にもなるそうです。但し、雑草扱いの所も多いので、除草剤の撒かれていない場所を選びましょう。