ナズナ(アブラナ科)
別名ペンペングサ
別名ペンペングサ
■ 解説
ナズナも春の七草の一つで、畑や水田、道端、荒地などのどこにでも見られる一年生の草本です。秋に芽生え、早春から開花を始めるので、昔は冬期の野草として貴重なものでした。 別名のペンペングサは、花が咲いて実が付くとその実の形が三角形で、三味線のばちに似ていることからそうよばれています。
■ 形態
ナズナは越年性の薬草で秋になって発芽し、根元から葉を出して地面へと広がって冬を越し、春になると茎が立ってきて高さ30~50cm位になり開花しますが、速く発芽して早々と年内に開花するものもあります。春になって茎が伸び、柄の長い白色の小花が穂の下部から順順に咲きのぼります。花後の果実は三味線のばちに似て先がへこんでおり、中には多数の種子が入っています。
■ 採取と調整
春に花が咲いた頃に全草を採集し、根の土を洗い落とし陰干しで乾かしてから保存します。七草粥の頃に採集するときも、掘り取るか根際からナイフをいれてきりとるかします。
■ 薬用途
若葉でやわらかいうちは野草料理として食べます。ゴマ和えやお浸し、テンプラなどで食すと野の味が楽しめる上に、おくすりにもなります。薬用途としては、
1) 高血圧、便秘、肝臓病には乾いた全草15gを一日量として煎じて服用します。
2) 止血(子宮、肺)には全草10gを煎じて服用します。
3) 下痢、腹痛には全草の黒焼きを服用します。