カキドオシ(シソ科)
生薬名"連銭草(れんせんそう)"
生薬名"連銭草(れんせんそう)"
■ 解説
"カキドオシ"の名の由来は、茎がのびて垣根を通り抜けることから"垣根通し"と呼ばれ、それがつまって"カキドオシ"となったようです。その他にも子供の癇を取り除く薬ということから"カントリソウ"と呼ばれることもあります。
■ 採集
全草を4~5月頃の花が咲いている時期に刈り取り、陰干しにしてから使用します。採集に当たっては、草の臭いを嗅いでみると薄荷に似た強いかおりがあるのでこの臭いを覚えておくとよいでしょう。よく似た植物にセリ科のツボクサがありますが、これにはこの臭いが無いので区別するときに役立ちます。
■ 薬用途
利尿、消炎薬として黄疸、胆石、腎結石、膀胱結石などに用い、血糖降下作用は、糖尿病でよく使われるタラノキよりも強く、実際に糖尿病治療に"寿位(ジュイ)"という商品名で"タラノキ"などと共に配合されて薬局などで販売されています。単味で使用するときは一日量 10~15gを煎じて3回に分けて服用します。小児の癇、虚弱体質改善には一日量5gを煎じて3回に分けて服用します。また、お酒に漬けたり、青汁として直接新鮮な葉からしぼった汁を服用することもあります。最近激増している糖尿病の患者さんは、予備軍の方を含めると40代以上の方で10人に1人とも5人に1人とも言われています。一度なってしまうと基本的に一生治らない病気ですので、生薬の力で予防や悪化を防ぐ手立てを考えるのも有意義なことだと思います。