イカリソウ(メギ科)
生薬名"淫羊霍(いんようかく)"
生薬名"淫羊霍(いんようかく)"
■ 解説
イカリソウの名前の由来は、"花の形が船のいかりに似ているのでイカリソウ" と言われていますが、この場合のいかりとは現在の二本鉤(かぎ)のものでなく、昔の和船で使用されていた四本鉤のいかりの事です。イカリソウの薬用効果を発見したのは中国、四川省の羊飼いと言われています。四川省北部は昔から羊がたくさん放牧されており、そこの雄羊は一日に百回も交尾をすると言われていました。その精力の源は何なのかと調べたところ、その地方にはホザキノイカリソウがたくさん生えており、それを羊が好んで食べるので精力絶倫になったのだそうです。
■ 形態
日本では東北以南の太平洋側から四国などの丘陵地や山林、山地に自生する多年草で、湿気で潤った土地を好み、日当たりの良い乾いた土地には見られません。春先になると根茎から細長くやや堅い茎を数本生やします。葉には長い柄があり、辺縁には毛状の小さい鋸歯があります。4~5月頃に淡紅紫や白、淡黄色の花をつけます。4枚の花弁には長さ2cmに及ぶ長い距があっていかりの形に似た花を開きます。
■ 採集
イカリソウは、根強く生命力の旺盛な薬用植物です。従って栽培が比較的楽にできますので野生種を乱獲せずに大きめのプランターで育てたいものです。薬用に使用する時は5~6月頃、地上部の茎葉を刈り取って日干しにして乾燥させます。
■ 薬用途
強壮、強精、血圧低下、健忘症予防目的に、一日量8~10gのインヨウカクを煎じて服用します。また、イカリソウ酒としてインヨウカク200gを1・8リットルのホワイトリカーに砂糖100gと一緒に入れて2~4ケ月間熟成させた後、一回量20mlを1日2回位服用すると良いと言われています。