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アザミ
アザミ(キク科)
■ 解説

キク科アザミ属で、日本に存在するのは約60種、佐賀県内には7種類が存在すると言われています。ノアザミは本州、四国、九州に分布し、山野の日当たりの良いところに普通に生えています。早春のアザミは新芽の部分を茹でてお浸しや味噌汁の具にしたり、少し大きめのものは葉を取り除いて茎の部分だけをあく抜きして油炒めにしたり、塩漬けにしたり天ぷらとして食べたりします。さらに、アザミの根は漬物として市販もされています。これは「ヤマゴボウ」の名で市販されていますが、本物のヤマゴボウとは別種のもので、本物のヤマゴボウの根は有毒で食べられないシロモノです。余談ですが、アザミはスコットランドの国花にも指定されています。これは、13世紀にスコットランドにノルウェー軍が攻め込んだ際に、ノルウェー軍の兵士がアザミを踏み、その痛さで大声を上げてしまったためにスコットランド軍がノルウェー軍の不意討ちに気付く事ができ、反撃による大勝利を収めることができた史実に由来します。嫌われがちな植物のトゲが、歴史の大舞台の中で活躍したことがあるという事実です。

■ 形態

多年草で、葉はやや厚く大小の鋸歯(きょし)があり、いずれも鋸歯の先端には固いトゲがあります。ノアザミは茎に軟毛が多く、5~6月頃から直径3~5cm位の頭状花をつけます。種々の色があり、鮮やかな色のものを花アザミとかドイツアザミと呼ばれています。

■ 採取と調整

夏~秋の花期に採取して天日で乾燥させます。根は土を水洗いして落としてから天日で乾燥させますが、これを生薬の薊(けい)といいます。

■ 薬用途

利尿、解毒、止血、強壮薬として月経不順、子宮筋腫、鼻血、血尿などに用います。用法は、葉20~30gに水400mlを入れて煎じ、約半量になるまで弱火で煮つめたものを一日量として食前か食間に服用します。止血には一日量15gとして煎じて用います。