製剤・民間薬
民間薬
ワサビ
ワサビ(アブラナ科)
生薬名"山葵(ワサビ)"
■ 解説

ワサビは日本原産の生薬で、山に自生していたものが香辛料として珍重されるようになり、16世紀になって静岡県で栽培が始まったようです。山中の涼しいところを好み、夏涼しく冬暖かい水辺が最適地で、湧き水の水温が5~18度の直射日光を浴びない場所であれば栽培が可能です。

■ 形態

根茎は肥大しており、直径8~10cmの心臓形の葉は縁に波状の鋸歯があります。葉脈は裏面で突出し表面には光沢があります。花茎は高さ20~40cmで小形の葉があり、花は茎頂に白色花を多数つけます。

■ 採取と調整

市販品を使用します。栽培品の収穫は秋から冬にかけてです。

■ 薬用途

生ワサビをすり下ろすと、「シニグリン」という内容成分が酵素分解して特有のツーンとくるガスが発生します。これが雑菌のタンパク質と結合して殺菌力を生じるのです。
更に、ワサビにレモン汁を1~2滴たらすとガスの発生量は急増し殺菌力も倍増します。「すし飯」にワサビを塗って「ネタ」で蓋をして握るようになったのもこの「殺菌ガス」を逃がさずに、すし全体に浸透させるための先人の知恵であり、更にこのガスには魚類に寄生することで有名な「アニサキス」を殺したり、生臭いにおいを中和したりといった働きもあり、魚を生で食す習慣のある日本人にとって無くてはならない薬草であることがわかります。
先日もイカの刺身を食べた後に猛烈な胃の痛みに襲われた経験のある患者さんが病院で検査してもらった所、「アニサキス」が原因であることが判明されたそうです。
この患者さんは辛いものが苦手でワサビをあまり使わない方なのですが、これからはできるだけ生の魚介類をたべる時はワサビや薬味をつけて食すようにしたいとのことでした。