製剤・民間薬
民間薬
モモ
モモ(バラ科)
生薬名"桃仁(種子)"・"白桃花(花蕾)"
■ 解説

中国北西部の黄河上流地帯が原産で、日本には古くから渡来していたらしく弥生時代の遺跡からもモモの種子が発見されていますので、この時代にすでに中国から入り、果物としてたべられていたと考えられます。
果樹や花の観賞用に多数の品種がありますが、現在、果物として好まれている水蜜桃(すいみっとう)は明治以降に品種改良されたものです。
3月3日の桃の節句に用いるハナモモは、実を結ばない品種です。薬用に種子を採取するのは原種のノモモかそれに近いものが利用されます。

■ 形態

落葉の高木で、高さ5mに達するものもあります。葉は互生し、形は皮針形(ひしんけい)です。長さ8~15cm、幅2~4cmで先は尖り、縁には粗鋸歯(そきょし)があります。葉柄(ようへい)には蜜腺(みつせん)が認められます。
初春に花は葉に先だって開きます。白色から桃紅色の5弁花で雄しべは多数あり、雌ずいは1個、子房(しぼう)は1室です。
果実は核果で、中果皮の肥厚した果肉は甘く美味なものです。内果皮は核となり堅く、その中に種子があります。

■ 採取と調整

6~7月頃熟した果実から核の中にある種子をとり出し、天日でよく乾燥させます。これが生薬の桃仁です。
2~3月頃、開花前のつぼみをとり風通しのよい日陰で乾燥させたものを、白桃花(はくとうか)といいます。

■ 薬用途

漢方でおもに用いられる消炎性駆お血(くおけつ)、通経緩下、排濃などの目的で漢方処方に配合されています。
単味では、産前、産後、血の道、月経不順、更年期障害に桃仁1日3~5gを煎じて服用します。下剤には白桃花か、普通の桃の花のつぼみを乾燥したものを1 日2~3g煎じて服用します。あせもには新鮮な葉をとって水洗いし、約500gを風呂にいれて全身これにつかるといいのですが、青酸化合物を含有するため 十分換気に注意することが必要です。
また桃の葉には、去痰、利尿、緩下、鎮静などの効果もあり、慢性の気管支炎に用います。緩下作用があるため妊婦の方は多量に用いないほうが良いでしょう。
新鮮な葉30~50gを一日量として煎じて一日3回に分けて服用します。漢方処方として使用するときは比較的体力のある人に処方される桃核承気湯(とうか くじょうきとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の中で、血流改善における主成分としての働きをしてくれます。実際これらの漢方薬は体質に合うと目 覚ましい効果があり、生理不順や生理痛、肩こりなどでお悩みの方が2~3日で症状を忘れてしまうということも少なくありません。ただし、きちんとした知識 や経験が必要なので、素人判断での服用は注意が必要です。