人は誰でも幸福になりたいと願うものですが、わたしたちの幸福はそんなに遠い夢なのでしょうか? まず自分自身の身体を大事にすることからはじめてみませんか。
『蒔かぬ種は生えぬ』とは、「原因が無いのに結果の生ずるはずがない」という意味で、さらに「何もせずにいて好結果を期待しても無理である」というたとえにもなります。
つまり、種を蒔いてもそれを育てる努力をしなかったら、収穫は望めない。という戒めに展開されるのです。
 種は、直接原因【因】です。種はいつかは生起すべき芽を内に秘めていますから、これは内的原因にあたります。しかし、種を机の引き出しの中などに入れたままでは、発芽しないでしょう。芽が出るには、太陽の光や水などのように外から助成する働きが必要です。この外的な第二次の原因を【縁】と呼びます。
 この因と縁との掛り合いの総和が【果】です。
私たちの周囲にあるものはもちろん、全宇宙のすべての存在や現象にいたるまで、「この因と縁によって果を生ずる」法則によらないものは、一つもありません。
これを「因果の法則(因果律)」と言います。
因果の法則は空間だけでなく、時間的にも過去・現在・未来の三世にも通じる真理です。
 因と縁との掛り合いは複雑ですから、結果もまた多様です。
人間の場合なら、過去における行為の善悪が因となって現在の結果を招き、さらに、現在での行為の善悪が因となり未来にそれぞれの結果を呼ぶから、これを「因果応報」というのです。
しかし、因が果となるまでの所要時間はさまざまです。大根などは種を蒔いて2、3日もすると発芽しますが、ほうれん草などは、もっと時間がかかるでしょう。
人間の行為の果が表われるまでにも、遅い速いがありますが、果のあることに間違いがありません。
 このように、因と同等に縁が、課に対して大きな役割をすることを知りましょう。
 人は病気になると「病院に行けば治してくれる、薬を飲めば治る」と思うようです。
病気は大別すると急性病と慢性病に分けられます。
急性病とは、風邪を引いたとか、外傷などで、これらは病院や薬により他人任せ、薬任せでもある程度は治すことができます。
しかし慢性病となるとそうはいきません。
慢性病(特に内臓病・アレルギー・皮膚病)は、もともとそうなるべき体質があり、健康なときは出てこないが、無理をしたり、加齢、食事、精神面により身体が弱り誘発されたものであり、決して他人任せ、薬任せでは、治すことはできません。
いくらよい薬を飲んでも、いつもイライラしたり、泣き言ばかり言ってシカメ面していたり、好き嫌いが多くて偏食だったり、不摂生だったり、過労だったりしたら、決して慢性病はよくなりません。
また、加齢による身体の弱りは誰にでも起こるものです。養生、補強をすることで、ベターコンディションを保ち、自分の身体をいたわり、守っていきましょう。
ベターコンディションを保てば、自然治癒力(身体が病気を治す力・病気から守る力)が十分に働きます。
この自然治癒力こそなくてはならないものであり、これがなければ病気を治せないし、健康を保つことはできません。
 身体の全細胞がいれかわるには、2年以上かかるといわれています。
不健康で、新陳代謝が衰えている人ならもっとかかるわけです。
だから病気が治っていくときも、よくなったと思うと、また悪くなり、またよくなり、そのうち症状が軽いほうが多くなり、それからだんだん症状のない日が自分でも気付かないうちに長く続くという快方に向かうのです。
幸福にかかせないキーワードは健康ですよね。
日常生活の中に養生の習慣をもつこと・・・考えてみませんか?
漢方で健康な状態とは、人体の臓腑(五臓六腑)、器官、組織が正常に働き、気(気力、エネルギー)、血(血液、リンパ液ほか)、水(身体の生理的水分)、精(生命体の根本をなすもの)が充実している状態と考えます。 
 健康を維持するには、日常生活の中に養生(食事、運動、休養)の習慣を持ち、良いことは続け、良くないことは減らしていくことが大切です。
 養生とは「日常の生活習慣を改善する」ことです。

食事:「吾(われ)、唯(ただ)、足(た)るを知(し)る」(詳しくは食養生へ)
食に対する感謝とは、食に対し、唯、足るを知ることが大切です。
食に対する感謝、謹んで多く食わず、むさぼらざる気持ちこそ、足るを知ることです。
現代は空腹感に関わらず、時間がきたら食べる!有るから食べる!もったいないから食べる!と、三食のうえにおやつ、間食とついつい食べ過ぎてしまうことが多いようです。
 腹八分目説は益軒の有名な説ですが、最近の日本食は欧米化して過剰栄養になってきています。
江戸時代で腹八分と言われているのですから、現代は腹六分で十分では・・・?

運動:流れる水は腐りません。身体を動かせば血液もよく流れます。
交通機関の発達により、人間が運動や歩いたりする量は極端に減ってきています。
無理をしすぎては逆効果になりますが、自分の体と相談しながらの適度な運動は、養生の大切な一つです。

休養:休養という字は身体を休める「休」と、養生の「養」が組み合わさった2つの意味のある言葉です。
やり始めたら止まらない、ついつい根を詰めてしまう方。忙しく、休みたくても休めない方・・・。多いと思います。
また健康に自信が有り、「病気をしたことがない!」「病院に行ったことがない!」と自慢している、体力・健康に自身のある方も実は要注意です。
自分の健康を守るにはどうすればいいか?体からの小さなサインを見逃さないことです。
そのためには自分の感覚を大切に、過労の現われ方は人それぞれですから、自分の過労のくせを知るために時々セルフチェックをしてください。頭が重い、だるい、イライラする、めまいがする、肩がこるなどの小さな症状でも長く続き、いつも感じているときは要注意です。
人の体も機械などと同じく、早いうちから手入れをしている方は元気で長生きされているような気がします。なかなか病気になってからでないと気が付かない方がいますが、車などは調子に関係なくオイル交換しますよね。これが、人にも大切です。

また上の三養生にプラスして、排便調節、低体温改善、心の養生 (詳しくは心の養生へ)なども大切です。
特に現代はストレス社会と言われるほど、ストレス(気の毒)が多い時代です。ストレスはあらゆる病気、老化にもかかわっていることが分かっており、ストレスといかにうまく付き合っていくかが大切になってきます。

 長寿国日本(先日の新聞記事では男、女とも長寿世界一)といわれています。一方で、癌、心臓病、脳卒中などの「生活習慣病」が増加し、さらに「寝たきり」「痴呆」のように高齢化に伴う障害も増えてきました。
単に病気の早期発見や治療にとどまるのではなく、健康を増進し発病を予防することが大切です。
 この予防の考えは、数千年前から東洋医学でいわれてきた「未病(みびょう)」の段階から、「養生を始めよう」とする考えです。
 現代医学では、まだ病名が付かなく、治療法もない症状(放って置くと本当の病気になる症状)を、漢方医学では「未病(みびょう)」といいます。この段階から、食事や運動、心、休養などの養生法の実施や薬膳、漢方薬で治療を始めます。
 この考えからいうと例えば、冷え性、寝汗、動悸、のぼせ、ほてり、耳鳴り、いらいら、肩こり、しびれ、腰が痛い、重い、めまい、立ちくらみなどの症状も「未病」と考え、これに適合した養生法を薦めています。
漢方医学の強みは、自然がはぐくんだ薬草などを上手に使って健康を維持し、病気になったらこれを治し、人間を心と体が一体となった不即不離の小さな小宇宙ととらえる点にあります。

「養生、予防、治療など分からないこと、興味のある方はぜひ一度ご相談ください。」