製剤・民間薬
民間薬
オタネニンジン
オタネニンジン(ウコギ科)
生薬名"人参(根)""朝鮮人参(根)"
■ 解説

中国の生薬の中で最も有名な薬用植物です。
食用の人参(セリ科)とは科も違う別ものですので区別しなければいけません。
七〇〇〇年前の昔より顕著な治療効果から珍重されており、かつては、それが育つ森の支配をめぐって戦争が行われたほどです。
アラビアの医者がヨーロッパに持ち帰ったのが9世紀といわれ、気力を増進し、ストレス耐性を上げる働きに よって18世紀頃から西洋でよく知られるようになったとされています。
原産地は中国東北地方からロシア東部、北朝鮮にかけてですが、今では野生はきわめて 珍しくなってきています。
最近では栽培ものが多く出まわるようになり、日本では長野県、島根県、福島県などがおもな生産地となっています。
春に種子から生 育し、肥沃で水はけのよい土壌で十分に生長するのにすくなくとも4年かかり、大変な技術と手間をかけて栽培されています。

■ 形態

オタネニンジンの発芽後は、3小葉からなる 掌状葉(しょうじょうよう)が2~3枚出ますが、生長すると5小葉となります。
3~4年で葉柄(ようへい)の付け根から一本の長い花茎(かけい)をのばし、先端に多数の黄白色の小花を球状につけます。
7月下旬から8月初旬にかけ、やや扁平な丸い赤色の果実をつけ、中には白色の種子があります。

■ 採取と調整

本畑に移植して5~6年のものを9~10月ごろに掘り取り、水洗いして土を除き天日でよく乾燥させます。
やや黄色がかった白色となりますのでこれを「白参(びゃくじん)」といいます。

■ 薬用途

オタネニンジンは、強壮薬の代表とされるもので、精神的にも肉体的にも活力を増強し、不老長寿、強精などを目的として利用されてきていますが、体内の新陳代謝機能の増進や内分泌の促進、精神安定作用、中枢興奮作用など広い薬効が知られるようになりました。
しかし、血色がよくて元気な人が飲用すると鼻血が出たり、頭痛となることも知られています。 誰でもが服用してよいというものではないということです。
湯通 しして調整した紅参は一部の成分が失われますが、穏やかに効きますので、初めて服用される方や、高血圧気味の人、老人、病弱な人にはこちらの方がお勧めで す。