製剤・民間薬
民間薬
ボタン
ボタン(ボタン科)
生薬名"牡丹皮"
■ 解説

ボタンは中国西北部原産の落葉低木で、日本へは遥か昔の奈良時代から平安時代頃に薬用として伝来しました。
牡丹は種をまいて新芽から繁殖さすのではなく、新苗は根から生えるので、女性なくして男性だけで繁殖するのだというところから牡(オス)の名を得、花は丹(アカ)である方が良いので牡丹の名を得たとのことです。
江戸時代頃から盛んに栽培されるようになり、園芸用の品種が数多く作られ、牡丹栽培のための参考書や牡丹観賞のための手引書「紫陽三月記(しようさんがつき)」(1691)などもこの頃に出版されました。

■ 形態

落葉の低木で高さは1・5mぐらいになり、わずかに分枝します。
5月ごろ、枝の先に直径20cmにもなる大型の花をつけます。花弁は8枚以上で花の色も白や赤、紫など数多くの種類があります。
薬用には淡紅色の単弁のものを使用します。同じボタン科のシャクヤクは多年草で冬には地上部が枯れて翌春には芽をだします。
葉もボタンに比べてやや厚く光沢があり、葉脈、葉柄(ようへい)に赤みがあります。

■ 採取と調整

生薬として使用するのは根の部分です。
生薬にする場合は養分を根に行きわたらせるため花期に開花させず、つぼみを取り除き、根の発育をうながすよう心がけます。
苗から4~5年目の秋に根を掘り取り、よく水洗いし、皮を裂いて木部を抜きとってから、長さ10cmくらいに切ってから日干しにします。これが生薬の牡丹皮です。

■ 薬用途

牡丹皮は単味で用いられることはまれで、おもに消炎、解熱、鎮痛、浄血、通経の目的で漢方処方に配合されます。
牡丹皮を使った漢方薬の処方例として桂枝茯苓丸があります。比較的体力があり血流が悪い体質の人に使用する漢方薬で、生理不順、生理痛、肩こり、不妊などに大変効果があります。
先日も不妊治療で効果の無かった38才女性の方に、この桂枝茯苓丸配合のお薬を半年間ほど服用頂いて無事妊娠され、肩こりも取れたということがありました。
血流をよくするという事は身体全体にとって、とても大切なことだと思います。