製剤・民間薬
民間薬
カキ
カキ(カキノキ科)
生薬名"柿蔕(してい)"
■ 解説

日本の代表的な果実と思われている柿ですが、奈良時代以前の遺跡からの出土はなく、それ以降に中国の揚子江沿岸から渡来したものと言われています。渡来した当初は渋柿しか無かったようですが、日本で渋柿が淘汰されて甘柿ができてから一般に広まったようです。果実・へた・葉・根はそれぞれ薬用となります。

■ 形態

薬用にするへたは秋に採集しますが、柿を食べたあとに集め、そのまま日干しにします。市販される柿蔕(してい)はこれにあたります。

■ 薬用途

柿の特色ある薬効の一つは、へたをしゃっくり止めに用いることです。しゃっくりのほとんどは無害であり、多くの場合は自然に消失するものですが、時に長く頑強に消失しない場合があります。このような時に柿のへたを煎じて飲むことが古くから知られています。このへたを5~10g刻み、水0.3リットルを加えて煎じ、約半量まで煮つめて、煎汁を発作時に温めて服用します。やや飲みにくいのでひねしょうがを少量加えると良いでしょう。柿の葉は成葉となるころに採取し、蒸気で2~3分蒸してから日陰でよく風にあてて乾かします。柿茶はこのようにして作り、一日量10gを煎じてお茶のようにして飲みます。消化器かいようを始めとする各種内出血に対する止血作用があり、柿渋と同様に血圧降下にも効き目があります。しゃっくりに関する事として、先日ある大病院の友人から、「抗がん剤治療中の方でしゃっくりがなかなか止まりにくい方が多いので、柿のへたを飲ませてみたい」との事でした。しゃっくりは新薬で有効なおくすりが殆ど無く、漢方では柿のへただけでなく、しゃっくりに関する様々なお薬が昔からあり、実際に使用してみても体質に合えば止まってしまう事が多いようです。しかし、柿のへたは保険適用外なので実際に服用頂く場合には薬局を通して服用頂くと良いでしょう。