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精力減退
精力減退とは
精力とは、性欲と密接に関係しています。男性の場合、性欲は25歳前後5年間が最も強く、30歳を過ぎる頃からゆるやかに減少していきます。もちろん個人差はあります。精力が衰えると、性欲もそれに比例して衰えます。
また、医療機関では勃起不全をED(Erectile Dysfunction)と言われます。

精力減退の原因
1. 加齢
人間は誰もが老化します。老化とともに男性ホルモンの分泌が低下してきますので、精力減退となり、性欲が減退し、勃起力不足になります。また、射精をコントロールする射精閉鎖筋の機能も衰え、早漏などを引き起こします。
2. ストレス
女性からのショックな言葉や、仕事の精神的過労、私生活の自信喪失などで精力減退を引き起こします。とくに現代はストレス社会と言われますので、悩んでいる方が多いようです。また、ストレスは本人が自覚しないままに蓄積することがあるので注意が必要です。
3. 慢性疾患
糖尿病・高血圧になると精力減退がみられます。陰茎は毛細血管の塊りですので、どちらの疾患も血の巡りが悪くなるので、勃起力不足は理にかなっています。また、肝臓や腎臓の慢性疾患も精力減退はあります。
4. 体力の低下
大きな手術等で、予後が悪く、体力の低下があるときに、精力の減退がみられます。
5. 事故などによる中枢神経の遮断
背骨の脊髄には、陰茎を勃起させる勃起中枢神経が通っています。この神経を遮断してしまうと、大脳より勃起の命令が下っても陰茎に伝わらなく、全くの不能状態になります。
この場合の改善は難しいです。

治療(西洋医学)
● カウンセリング
精神面からの精力減退は心療内科などのカウンセリングがあります。
● 投薬
ED治療薬として、バイアグラ・レビトラ・シリアスが個々の病院、クリニックより処方されます。
・バイアグラ・・性交の約30分~1時間前に服用します。効果は3時間持続します。
        なお食後に服用するよりも空腹時に服用したほうが効果的です。
・レビトラ・・・性交の約30分~1時間前に服用します。効果は3時間~4時間程度持続します。バイアグラより食事に影響を受けにくいとされています。
・シリアス・・・性交の約30分~1時間前に服用します。効果は最大36時間持続します。
        バイアグラ・レビトラと異なり、食事の影響を受けません。

以上、三つのお薬には副作用があります。どのお薬も、頭痛・のぼせ・めまい・鼻閉 があり、また死亡例も出ています。死亡者には、高血圧・糖尿病・心疾患を持った方が多く報告されています。海外やインターネットでの購入は商品の類似品が多く出回っているために注意が必要です。必ず、医療機関で診察を受けて下さい。
漢方では?
漢方では五臓(肝、心、脾、肺、腎)、体内の「気・血・水」の不均衡を改善することにより、精力減退を改善していきます。五行説(東洋医学の学説)から考えると、精力は腎との関係が深いです。しかしながら、肝虚・肝実、脾虚も大きく関与しています。

● 腎虚の場合
腎は「先天の本」といい、生まれながらの生命力の物質的基礎である腎精を貯蔵していて、成長・発育・生殖・老衰、一切の生命現象を支配調節しているのが腎であるとあります。腎気が旺盛であると人は老いにくく、老いる速度も緩慢であり寿命も延び、逆に腎気が衰えた人は老化が早まり寿命も短くなると言われます。「いつまでも若く、瑞々しく」は誰しもが思いますね。腎虚とは、精力減退の原因1の加齢が多く、また過度の肉体労働や、房事過多(性交渉過多)なども含まれます。腎虚になると津液の不足がおきます。津液を補う代表生薬として地黄・人参・山薬があり、滋陰・補腎・補脾・腎を固める働きがあります
代表処方:海馬補腎丸・八味地黄丸・六味丸・牛車腎気丸

● 肝虚・肝実の場合
「肝は謀慮を主る」と言われ、ストレス・精神的ショック・怒りにより肝気や肝血の不均衡が生じます。このような症状が続くと肝気鬱結をおこします。実証を肝火上炎、虚証を肝陽上亢と呼んで、証を区別していきます。この場合、精力減退の原因2のストレスが多いです。
代表生薬として、柴胡・竜骨・牡蠣があり、胸脇の気滞を散ず・疏肝解鬱・理気、鎮魂・鎮驚、虚労煩熱を治す、働きがあります。また、精力減退の原因3の慢性疾患は肝実瘀血が主に考えられ、黄連・黄柏・桃仁柏・牡丹皮などの生薬も必要になってきます。
代表処方:大柴胡湯・小柴胡湯・四逆散・柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加竜骨牡蠣湯・柴胡桂枝湯・柴胡桂枝乾姜湯・黄連解毒湯など

● 脾虚の場合
暴飲暴食、ストレス等により胃酸過多になると、胃に熱が生じて、津液が枯渇します。この時、まず脾より津液を吸い上げ脾虚の状態になります。さらに症状が進行すると腎より津液を吸い上げ腎虚の症状がでて、精力減退を引き起こします。この場合は、脾虚の症状から改善していきます。熱を冷ますための代表生薬として、黄連・黄柏があり清熱の働きがあります。また、過労や術後に脾虚になることより、精力減退を引き起こします。(精力減退の原因4の体力低下)この場合、脾虚陽虚を補う代表生薬として、人参・乾姜があり、元気を補う・健胃補脾強壮の働きがあります。
代表処方:補中益気湯・人参湯・六君子湯・四君子湯・小建中湯・黄耆建中湯・半夏瀉心湯など


症例
症例
H22年5月下旬来店 31歳 男性 顔青黒い 中肉中背 筋肉質
仕事の忙しさや、ストレスが原因なのかしれないが、勃起しないので精力剤を下さいと来店されました。その若さで普通に市販の精力剤を使用しても意味がありませんよと伝え話をよく聞かせてもらいました。4月より転勤となり、多忙。職場の人間関係に悩んでいる。
ストレスが大きい。少し円形脱毛もある。不眠があり、よく夢をみる。便通はあまりよくない。食事は入る。話をきいて、これは肝実からの神経症状と判断し、柴胡・竜骨・牡蠣を主剤とする漢方薬を服用してもらいました。
H22年6月上旬来店
大変身体の調子が良いとのこと。勃起はするようになったが、従来どうりではない。
H22年7月下旬来店
仕事も慣れてきて、しっかり睡眠出来るようになりました。円形脱毛した場所も、毛が生えてきている。勃起も調子が良い。
真面目な人ほどストレスを抱え込むので、肝が鬱病になっていたのですと伝え、精神面の重要性を話しました。半年ほど続けられ、全快されました。