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うつ病
うつ病とは
うつ病とは、「こころの風邪」と言われて、ストレス社会の現代では、めずらしくない病気です。病名的にいうと、気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠症などを特徴とする精神疾患です。

精神的症状としていつまでも憂うつな状態が続いて、どうにもやる気が出ない状態になることがあります。症状が長引いて、「生きている価値はないんじゃないか?」「自分はダメな人間だ」などと考えるようになったり、仕事の能率が極端に落ちたり、物事を決められなくなったり、実行できなくなったりして、日常生活に支障が出てきます。中には、自分がそれを自覚せずに、長い間過ごしてしまうケースもあります。

身体的症状として頭が割れるような頭痛。不眠症などの睡眠障害。消化器系の疾患で胃潰瘍・十二指腸潰瘍・摂食障害などに伴い、食欲不振と体重の減少あるいは過食による体重増加。全身の様々な部位の痛み(腰痛、頭痛など)訴えとしては「食欲がなく体重も減り、眠れなくて、いらいらしてじっとしていられない」もしくは「変に食欲が出て食べ過ぎになり、いつも眠たく寝てばかりいて、体を動かせない」などがあります。
また、典型的なものがまた、朝が大変辛く、午前中から昼過ぎにかけて効率が悪く、夕方になるにつれて調子が良くなってくるとうい症状です。

しかしながら、うつ病は、決して治らない病気ではありません。逆に、しっかりと治療をしていけば、必ず治る病気です。

原因
仕事でのストレス、将来への不安、近親者の死別などによるストレスでこころのコントロールがきかなくなることが原因です。ストレスにより、脳内のセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の枯渇がおき、それによってうつ病が引き起こされます。
うつ病にかかりやすい人として、神経質、几帳面、頑張り屋さんなどと言われます。これも結局はストレスを大きく受けてしまうためです。

また、一説には食生活の変化にもあると言われます。この説ははっきりと分かりませんが、アトピー・花粉症などのアレルギー症状が近年になって増加した原因が食生活によるものと言われているのを考えると、食生活が関与している可能性は高いと言えます。
医療機関での治療
治療の基本は、薬物療法と休養、また医師・専門家によるカウンセリングがあります。

薬物療法として
第1選択薬としては選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)かセロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬(SNRI)を使用します。
(パキシル・ルボックス・デプロメールなど)
副作用として、頭痛・吐き気・口渇・便秘などがありますが、以前使用されていた三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬に比べると頻度は少なくなっています。
SSRIやSNRIを服用しても効果が不十分な時には三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬が併用されます。

不安、焦燥、過敏などの症状が認められる場合に抗不安薬を併用します。
(ソラナックス・デパス・コンスタンなど)

不眠が強いときは、睡眠薬を併用します。
(ユーロジン・ハルシオン・アモバンなど)
漢方では?
漢方では病名に対する薬はなく、各々に適応するお薬で、五臓(肝、心、脾、肺、腎)、体内の「気・血・水」の不均衡を改善することにより、症状に対応していきます。
うつ病も同じで、その人にあった漢方薬で対応していきます。
「心身一如」という言葉があり、これは「こころ」と「身体」は同一のものを意味します。
うつ病は、こころが落ち込んでいますので、身体を元気にすることにより(漢方による気・血・水の調和)こころを引き上げ、元気にしていきます。

・ 気鬱身重(気滞型)の場合
喜怒哀楽の感情の中で怒り(ストレス)の感情は肝によって処理される。精神的ストレスが続くと気が肝に鬱積して肝気鬱結を起こす。肝気鬱結があると胸脇部の不快感や痛み、憂鬱、イライラ、不眠、眼の充血等の症状が出る。気滞は無月経や便秘を引き起こすこともある。鬱積した肝気が肺に上逆すると咽喉部の異物感や咳嗽が現れ、胃に横逆すると胃の不快感、胃痛、腹痛、便秘、下痢の腹部症状を現わす。また、身体的には全く疲労や消耗の所見がなく、倦怠感や無力感を訴える場合もある。
よく使用される生薬として、柴胡・半夏があり、柴胡には疏肝解鬱、理気、胸脇部の熱を解す働きがあり、半夏には気の上衝を下し、嘔を止める働きがあります。
代表処方:柴胡加竜骨牡蠣湯・半夏厚朴湯・柴朴湯・四逆散・大柴胡湯・加味逍遥散
     抑肝散・抑肝散加陳皮半夏など

柴胡加竜骨牡蠣湯の目標
本方はストレスや心労により、肝気鬱結を生じ抑鬱、不安、不眠などの精神症状(煩驚)と共に、倦怠無力感を覚える者に用いる。柴胡で肝気の疏泄をはかり、竜骨・牡蠣・茯苓には精神安定効果がある。
体格・・・体格がよく体力が中等度の人
顔 ・・・概して目が大きい
性質・・・神経質 イライラして怒り易い 驚煩がある(驚き易い)
不眠・・・ある よく夢をみる
腹部・・・胸脇苦満がある
小便・・・不利する 必ず少ない
大便・・・便秘気味 下痢することはない

・ 気虚労倦(気虚型)
体質虚弱、過労、栄養障害、憂思過度などはいずれも気虚を生じます。気虚があると脱力、倦怠感の他、声に力が無く、顔面蒼白、動悸、息切れ、自汗、盗汗などが起き易くなります。また、無気力な故に多彩な愁訴を訴えることが多い。代表生薬として、人参・白朮・茯苓・甘草があり、人参が主剤となり元気を補い、白朮・茯苓・甘草で補佐します。

代表処方:六君子湯・補中益気湯・四君子湯など

補中益気湯の目標
名の通り中(胃)を補い、気(元気)を益す薬で、すべてに力なく倦怠感の著しい人に用いる。
体格・・・痩せ型 体力がない
大便・・・下痢をしない 兎糞便のこともある
食欲・・・味がわからない 砂をかむようだ
言語・・・言語軽微 力がない
欠伸・・・よくあくびをする
手足・・・落ちるようにだるい ぬけるようにだるい やける 煩熱がある

・ 気血両虚(血虚型)の場合
産後、消耗性疾患、虚弱体質、術後などで体力消耗し、栄養が低下して気血共に不足した状態である。気血両虚があると疲労倦怠感に加えて、息切れ、動悸、不眠、手足のしびれ、爪の変形などの症状がでる。皮膚は乾燥して艶が無い。

代表処方:十全大補湯・酸棗仁湯・甘麦大棗湯・帰脾湯・加味帰脾湯など

十全大補湯の目標
気血双補の基本処方で、健脾補気の四君子湯と養陰活血の四物湯を合わせ、さらに肺気を補う黄耆と心血を養う桂皮を加えた処方である。
体格・・・痩せ型 疲労性 貧血 冷え性
皮膚・・・枯燥 潤いなく乾燥
全身・・・倦怠感著明 衰弱 精神不安
大便・・・普通 軟便 下痢
食欲・・・食欲不振 
冷え・・・手足が冷える

酸棗仁湯の目標
不眠を訴えることが多い。本方は肝血が虚すことによって心血も虚し、その結果精神不安や不眠を生じるものである。

甘麦大棗湯の目標
本方は元来古典的なヒステリー発作に対応する方剤である。甚だしい興奮状態を鎮静させ、また急迫性痙攣発作を緩解させる。あくびを頻発する。

・ 腎陰陽両虚の場合
腎陰腎陽が共に虚した虚寒証で、陰陽が相互に協同して正常な働きを営めなくなり腎陽は腎陰からの制約を失う結果、虚陽が浮かび上がって上熱下寒し、上は不眠・動悸、下は失精・交夢する。
代表処方:桂枝加竜骨牡蠣湯
症例
症例
H23・10月来店 36歳 男性 体格良く、目が大きく充血
医療機関に通院中で、うつ病と診断され、4種類の薬を服用中。テレビの人気芸人が漢方薬を服用していると知って来店。テレビの反響での来店は自分にとって二人目の方でした。
症状をよく聞くと、仕事でのストレスが大きく、通院する前は何も出来なくなり、一ヶ月ほど会社を休んだとのこと。いまのところ、病院の薬によって何とかなっている。薬を減らしたいが、なかなか出来ない。身体の悪いところはこれといって無い。ただ、胸脇苦満があり、少し便秘する。この方は、気が肝に鬱積して肝気鬱結を起こしていると考え、柴胡・半夏・竜骨・牡蠣を主剤とする漢方薬を服用してもらいました。
H23・11月来店
「何となく、良い感じがする。」と言われしばらく続けてみると言われました。
H24・3月
服用されて五ヶ月になり、病院の薬が一種類に減り、喜んであります。しかし、仕事上ストレスがかかると病院の安定剤を服用されるとのことです。
全快するまで、しっかり服用すると言われ、続けてあります。