バセドウ病
バセドウ病とは
バセドウ病は、甲状腺ホルモンの過剰分泌が原因で全身にあらゆる症状が出ます。
バセドウ病の症状は、甲状腺ホルモンが大量に作られ血液中にたくさん流れるので新陳代謝が活発となります。バセドウ病は女性が男性よりも5倍も多いそうです。

バセドウ氏病の症状には3つの特徴があると言われています。
①首の腫れ
②眼球突出(顔つきも眼球突出という目が出てる感じになる症状です。これは眼球を動かす筋肉や脂肪組織が腫れるためにおこる症状です。目つきも鋭くなってきます。
③頻脈(動悸)

他の症状は暑がり、疲れやすい、体重が減少する、または体重増加、精神症状ではいつもイライラしたり、落ち着きが無く集中力が低下したり、不眠などです。

バセドウ病の原因
脳下垂体から分泌されるホルモンに甲状腺刺激ホルモン(TSHといいます)というものがあります。そのホルモンが甲状腺にくっつくところ(レセプターまたは受容体といいます)に対して抗体(TBIIまたはTSAbといいます)ができます。この抗体が甲状腺を刺激し続けるために、甲状腺ホルモンが沢山できてバセドウ病の症状がでると考えられています。
 しかし、この抗体がなぜできるかについては不明で、今のところバセドウ病は原因不明の病気です。

治療(西洋医学では)
① 薬物治療
② アイソトープ治療
③ 外科的手術

日本では薬物療法が最も多いです。現在使われている抗甲状腺薬はメルカゾールとチウラジール、プロパジールの2種類が中心です。これらはヨードが甲状腺ホルモンの元(原料)になるのを抑える働きの薬です。
抗甲状腺薬は服薬初めに充分な量を使います。
ホルモンの分泌を早く抑えたいからです。そして状態を見ながら少しずつ減らしていき一定量を飲み続けるという方法をとります。このときになると現れていた症状もずいぶんよくなってきています。
しかし眼の症状は甲状腺の治療をしてもあまり期待ができません。薬を飲むのをやめて一年以上甲状腺機能が正常に保たれていた人が15%近くいます。また服薬中の40%くらいの人が日常生活を問題なく過ごされています。
ただし抗甲状腺薬の副作用として肝臓障害や湿疹(薬疹)顆粒球減少症、無顆粒球症などがあらわれることもありますので定期的に病院で受診されて注意されることが必要です。

アイソトープ治療というのも、アメリカではメジャーな治療の1つです。放射性同位元素を使います。この治療は、簡単にいうと、弱い放射性物質を含むヨードのカプセルを飲んで、そのヨードが甲状腺に集まって、甲状腺を破壊し、ホルモンが出なくする、ということです。

抗甲状腺薬で治療効果が得られない場合は甲状腺の一部を切除する外科的な手術、甲状腺の一部を放射線で壊す放射線療法が必要となります。
漢方では?
漢方医学では、甲状腺機能亢進症は多く甲状腺腫を伴うところから、癭病(えいびょう)
の範疇に入れられており、結節性甲状腺腫にあたるものを癭瘤、単純性甲状腺腫に当たるものを癭気と呼んでいます。癭(エイ)とは"こぶ、首すじのこぶ"の意味で、西洋医学でいうところの甲状腺腫になります。原因として早くから水土の素因(ヨウ素欠乏)が歴代の医書に記載されており、その他、憂思鬱慮、悩みすぎ、怒りすぎなどのストレスがもう一つの原因と考えられます。

1、 心下上炎型
 心の陽気の過亢進状態で、精神的な原因・刺激物の摂取過多などによることが多いです。はげしい熱証(実熱)が特徴で、虚証の症候はみられません。中枢神経系の亢奮・自律神経系の過亢奮・異化作用亢進・副腎髄質機能の亢進などによって生じるものと考えられます。
代表的処方:黄連解毒湯・・・心下を瀉し、三焦の湿熱をとります。血の熱をとり、イライラやのぼせ、充血などの症状に使います。

2、陰虚陽亢型
 甲状腺機能亢進が慢性に継続している例に多いです。陰虚陽亢証とは陰虚内熱(虚熱)
が特に目立った状態を指します。持続する代謝亢進と熱証のために、気血と共に陰液
(水)も損傷されて消耗し、全体に虚熱と乾燥が顕著となります。症状は痰下上炎型の
諸症に加えて、めまい、手の震え、咳、足腰の弱り、筋肉の脱力、耳鳴り、盗汗、便秘
などが顕著になります。
代表的処方:滋陰降火湯・・・本来肺腎陰虚し、虚熱、咳、盗汗などを治す処方ですが、天門冬、麦門冬、地黄で肺腎の陰液を補い、当帰で養血するものです。

3、気陰両虚型
 新陳代謝の亢進が長期にわたるために、陰陽共に虚した状態です。代謝亢進や熱証は
あまり顕著ではなく、逆に体力消耗による症状のほうが強く現れます。症状は、痩せ
衰えて、皮膚枯燥し、甲状腺と眼球突出のみが目立つ例が多いです。やせて力なく息
切れ、手や足が震え、自汗、口渇、口苦、不安、不眠がある場合が多いです。不整脈
もよく現れます。
代表的処方:炙甘草湯・・・元来傷寒で、太陽病の邪が少陰心に伝わり、心の正気が乱されて動悸や不整脈を生じた時の処方で、気血共に虚した者の脈結代を治します。
     加味逍遥散・・・気血両虚の人が肝鬱化火して、のぼせ、充血と共に抑鬱、イライラ、不眠、倦怠感、月経異常など、肝鬱と共に虚火上亢の症状を起こすときに使われます。