花粉症
花粉症とは
 花粉症は、風で運ばれた花粉が引き起こすアレルギーです。春にはスギ、秋にはブタクサなどが有名で、症状としてはくしゃみ、鼻水、鼻づまりが、問題となる花粉の時期に突然起こります。花粉の直径は大きく、ほとんどが鼻や目の粘膜でとらえられるのでこれらの粘膜の症状が主になり、気管支で喘息を引き起こす心配はほとんどありません。
 花粉はどこにでもあって、誰もが吸入しているのに花粉症にかかる人とかからない人があります。花粉症の人は、症状が現れる以前に花粉に接触していて、本来病原菌や毒素などを排除、無害化してくれている免疫が花粉を外敵と判断して反応してしまうためです。花粉症の原因として、遺伝的な要因や環境の要因が研究されています。かかりやすい家系があることから、スギ花粉症は遺伝することがわかってきました。また、スギ花粉の少ない都市部の人が地方の人より花粉症にかかる割合が多いのは、車の排気ガス等による大気汚染が花粉症にかかりやすくする要因だといわれています。
西洋医学の治療
 花粉症の発症時期の直前から抗アレルギー薬を服用します。局所的な治療では点眼薬や点鼻薬が処方されます。最近では鼻の粘膜をレーザーで治療する方法もあるそうです。
漢方では?
 五行説という考え方で鼻は肺が外界につながる所なので肺に属します。季節でいうと春は肝の機能が亢進して血がのぼり目の充血や鼻づまり頭部に症状が現れやすくなります。秋は毛穴が収縮して皮膚呼吸が少なくなり鼻に負担がかかって鼻炎が起こります。
目の充血、熱感、鼻水に色がついていて濃い場合は熱、無色で大量の鼻水、くしゃみ、寒気がある場合は寒など寒熱も重要です。
熱のある場合
副鼻腔炎や扁桃炎を合併している場合が多くなります。黄色く濃い鼻汁、鼻づまり、頭痛、口苦などの症状があります。小青竜湯加桔梗石膏、荊芥連翹湯、辛夷清肺湯などがあります。

小青竜湯加桔梗石膏の小青竜湯は悪寒のある鼻水、鼻づまりにも使いますが、消炎清熱排膿の桔梗石膏を合方することにより、肺熱により濃い粘り気のある鼻汁を出す鼻炎に使います。

荊芥連翹湯は温清飲に清熱、解毒、排膿の薬味を加えた17味からなる処方で、温清飲には炎症を改善するはたらきがあります。荊芥連翹湯には青年期の解毒証体質を治す処方であるといわれています。解毒証体質とは肝気の鬱結と肝血の不足があり、それに熱をともなっている症状で、アレルギー体質と慢性炎症のある方です。上部に熱があるため、色の濃い鼻汁、鼻づまりがあり、皮膚は浅黒く乾燥し、腹直筋の緊張している場合に使います。

辛夷清肺湯は9種類の生薬からなる処方で、辛夷以外はすべて熱を去る生薬で構成されています。肺に熱があって肺の潤いが減り、熱が上昇して熱感のある鼻づまり、色の濃い鼻汁、咽痛、口渇、頭痛などの症状がある場合に使います。 
寒のある場合
無色で薄い鼻汁、鼻づまり、くしゃみ、悪寒や頭痛などの症状があります。小青竜湯、葛根湯加川芎辛夷、麻黄附子細辛湯などがあります。

小青竜湯はアレルギー性鼻炎といえばまずこの処方といわれるくらい有名な処方です。心下(みぞおち)のあたりに水毒と呼ばれる水分の偏在があり、色のうすい多量の鼻汁となって出てくる症状を改善します。

葛根湯加川芎辛夷は麻黄と桂枝、桂枝と芍薬の組み合わせは小青竜湯と同じで発汗させて表にある寒気を改善させます。さらに川芎は体を温め、排膿作用、頭痛緩解作用があり、辛夷は鼻汁、鼻づまりの緩解作用があります。首筋や肩こりがあり鼻づまりを強く感じる場合に使います。

麻黄附子細辛湯は名前の通り麻黄、附子、細辛の3種類の生薬から構成される処方で麻黄は表の水毒を追い出し、細辛は寒を去り腹中を温めます、附子は陽気をめぐらし新陳代謝を活発にします。鼻水の症状のほかに、強い寒気、全身の倦怠感、四肢の冷えなどが強い場合に使います。