ニキビ
ニキビとは
ニキビとは様々な原因により引き起こされる炎症を伴った発疹で、医学的には尋常性痤瘡(ジンジョウセイザソウ)、または単に痤瘡といいます。
一般的に思春期の痤瘡をニキビと呼び、それ以降のものを吹出物と呼んでいます。
主に皮脂腺の多い顔、頭、胸、背中に多く現れます。

《ニキビの原因》
ニキビの発症は体質に関わることが多く、皮脂腺の活動が活発な人に症状が出やすい傾向があります。
・皮脂の分泌が盛んになる
 テストステロンなどの男性ホルモンの分泌が思春期に活性化したり、ストレスなどが原因で過剰になったりすると、毛穴の奥の皮脂腺からの皮脂が多く分泌されます。女性では黄体ホルモンの増える生理前の高温期やホルモンバランスの乱れがニキビの原因の1つとなります。
・毛穴のつまり
 皮膚細胞は、約28日周期で入れ替わる(ターンオーバー)といわれています。このターンオーバーが乱れると、角質が厚くなり毛穴のつまりの原因となります。また、汚れや化粧の残留も毛穴のつまりを起こします。
・アクネ菌の増殖
 アクネ菌は皮膚の常在菌で誰もが持っています。毛穴がつまり、その中で皮脂が充満すると、アクネ菌が増殖します。
増殖したアクネ菌はニキビの炎症を引き起こし、赤ニキビをつくります。
・食生活
 ファーストフードやインスタント食品、お菓子類の増加、偏食、深夜の食事など、食生活の乱れもニキビの原因になってしまいます。
また過食、肥満傾向の人もニキビの原因になります。
・ストレス
 過度のストレスがかかると、そのストレスに対抗するためにアドレナリン(副腎髄質より分泌されるホルモン)やアンドロゲン(男性ホルモン)の分泌が増加し、皮脂の量も多くなりニキビの原因なります。
・乾燥
 皮膚の乾燥は肌に潤いがなくなり表皮のターンーオーバーが乱れ、角質が厚くなることによって毛穴を塞ぎニキビができやすくなります。
・便秘
 便秘をしていると、腸内環境が悪くなり皮膚にトラブルが起こりやすくなります。
・月経異常
 生理不順や生理痛などがある人は、ホルモンバランスが乱れていることが多くニキビなどの皮膚のトラブルも多くなります。

《にきびの種類》
・白にきび
 皮脂が毛穴につまった状態で、小さな白いニキビのできる初期症状です。
・黒にきび
 皮脂がつまった白ニキビの毛穴が開き、そこで皮脂の酸化が起こって黒くなった状態です。鼻のあたまや、鼻の横にできる人が多いようです。
・赤にきび
 毛穴の奥でアクネ菌が増殖し、白ニキビが悪化し炎症を起こした状態です。腫れや、痛みを伴います。
・化膿にきび
 赤ニキビがさらに悪化して炎症が激しくなった状態です。ニキビの先に黄色い膿が出てきます。
ニキビが悪化してくると、免疫反応により炎症を起こした組織を破壊して炎症を鎮めようとします。その結果、コラーゲンなどの皮膚細胞がクレーターのような凹みとなったり、メラニン色素が生成されて色素沈着を起こします。
炎症を起こしたニキビをつぶすなどの刺激を与えたり、手の細菌が付くことで更に炎症がひどくなり、痕が残りやすくなります。

《にきびの治療》
日本では2008年にニキビの治療ガイドラインが出来ました。病院での治療は、このガイドラインにしたがって、ニキビを重症度別にわけて治療を行ないます。
皮脂の押し出し、抗生剤・ビタミン剤の内服療法、抗生剤・ディフェリンゲル(レチノイド様作用を有するニキビ治療薬)の外用療法、レーザー治療などがあります。
漢方では?
【漢方医学での考え】
 漢方医学では痤瘡の原因を身体の内熱、血の不足、血の滞り、脾虚(胃腸系の弱り)などが関係すると考えています。

・内熱証
 肺熱や肝熱が上焦に鬱積すると、のぼせやすくなり、ニキビなどの症状が出やすくなります。鼻の周囲や頬、おでこなどに好発しやすくなります。
・胃実熱証
 大食で口渇があり、冷飲食を好み、便秘や口臭がすることが多くなります。口の周囲、に好発しやすくなります。
・瘀血証
 瘀血のある人は、のぼせを伴いやすいく、瘀血が経絡を阻滞してニキビを生じ、これに毒邪の外感(細菌などの二次感染など)が加わると、難治性の膿疱や結節を形成することが多くなります。顔面だけでなく胸背にも拡がり、皮膚は脂漏性でニキビの後で瘢痕を残しやすくなります。
・血虚証
 血虚(血の不足)の人は、皮膚の栄養供給や滋潤作用が十分に行なわれず、新陳代謝も悪いため、皮膚が荒れ、かさつきと小型のニキビができやすくなります。
症例
症例
30歳 女性 150cm 43kg
 生理前にニキビができるとご相談をいただきました。
症状を詳しく伺ったところ、生理1週間くらい前から口周り、あご周りにニキビができ生理後は治っていく。生理前に腹満を生じる。生理不順はなく、期間も7日と正常、生理痛が有り、経血にレバー状の血塊がある。便秘有り。生活が不規則で甘い物、脂っこいものが好きとのことでした。

・投薬と養生
 生理前に症状が出ることや、経血にレバー状の血塊があることから瘀血があると考えられます。口周り、あご周りにできやすいことから、胃熱や食毒、ホルモンバランスの乱れも考えられることから、上衝を治し、発汗解肌の作用がある桂皮、桂皮と組んで腹部の動悸を治し、健脾と利水の作用で水分の停滞をめぐらす茯苓、血滞を通じ、血の道を滑らかにする働きのある桃仁、凝血した瘀血を去り、血剤と気剤を兼ねてよく気をめぐらせる牡丹皮、血滞を通じ、凝血を緩め、筋肉の緊張緩和の働きのある芍薬などの生薬の入った下腹部の瘀血を治す漢方薬を中心に複数の漢方薬を合わせて飲んでいただくことになりました。

また生活養生として、キレイな皮膚をつくり、瘀血を減らしていくために、できるだけ甘い物や脂っこい食事を減らして、ご飯・味噌汁・納豆など和食を中心にした食事を摂るようにしていただきました。
食物には大地からのエネルギー"地の気"が宿っており、食物が脾に入ることで気血水が作られます。
自然なものをバランスよく、多すぎず少なすぎず、ありがたくいただくことは、身体づくりの基本になります。
不規則な生活をできるだけ整えて、皮膚の作り替えが最も盛んといわれる22時から2時をすぎてしまわないよう、できるだけ早く就寝してもらうようにしました。
外面からのケアとして、お化粧を残さないためのクレンジング・洗顔法の指導をし、実行していただくようにしました。

服用2週間の内に生理があり、飲み始めたばかりでニキビは変わらなかったが、生理痛は軽くすみました。服用2ヶ月後からニキビが減り皮膚がキレイに変わり始め、現在も継続服用していただいています。