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夏と心(心臓)

今回は5月の「立夏」を境に3か月間は「夏」となりますので、夏に関係のある、臓器である「心」について調べました。

夏の臓器“心”の声色臭味
夏は蕃秀(ばんしゅう)といい、万物が成長して繁栄華美なることをいい、陽気の盛んな季節になります。人の体も、夏の暑さを受けすぎないように、陽気を発散しています。その陽気を作り出すために、一番陽気の多い臓器、心が最も活発に働く季節です。陽気を発散するときに出る液が汗です。汗を出すことで、人の体は、熱を発散しています。もし、その熱を発散できないでいると、体には熱がこもりすぎ、焦げ臭いにおいを放ち、顔が赤くなってきます。その熱を冷ますのが、‘苦味’です。

赤は陽光が遠くへ達する色であり、焦は気が充満して薫炙している臭いであり、苦は気が烈しく濃厚な味です、だいたいにおいて火に焼けたことがある物は苦いものです、言は條理が通暢(つうちょう、つかえることなくすらすらいくこと)している状態の声であり、汗は表が発して渙散(かんさん、徐々にさがっていること)している状態の液です。この五種類は皆な陽気が通達して盛大となっているという象です。

心は、陽気を極め発散させる汗をだし、陽極まって焦げた苦味で、陰気を補い、夏の暑さで熱がこもりすぎないようにしますが、心は神を蔵するところであり、心の熱が冷めすぎると、人は死んでしまうとも考えられています。そのことが書かれているのが霊枢71です。

古典「霊枢」71より

黄帝が言われる。
本輸篇でも、手少陰心経の輸穴の話はなかったが、どうして心経にだけ輸穴がないのか?

岐伯が言う。
手少陰心経は心の臓の脈であります。心の臓は五臓六腑の中で王たる位にあります。それも生命活動と意識を司る精神が宿っている王城なのですから、特別に堅固でないといけません。一寸たりとも外敵の邪気を侵入させるわけにはまいりません。もし王城にまで外敵の侵入を許したならば、その国は亡びるのと同様に、心の臓にまで外邪が侵入しますと、心の臓は敗れて神気が消滅し、生命活動も意識もなくなって死亡するに至ります。故に、たとえ心に邪気が侵入しようとしましても、内城の心の臓には入れずに、外城である心包経に入るのです。手厥陰心包経はまた手の厥陰心主の脈ともいいまして、心の代行の役目をもっています。このようなわけですがら、手少陰心経には輸穴の必要がございません。

少陰心経を補う≒苦味を補い熱を冷ます≒心に熱が多くなり過ぎないように働きます。心を守る熱がなくなり、神気が減ると、生命活動も意識もなくなり死亡してしまいます。
その心の陽気を君火と言います。心は君主のように留まっておかなければならない臓器であるため、実際に身体が活動するための陽気は、心包から、心包経に出て働きます。
その陽気を相火といいます。心は自身が働くのではなく、このように、心包の力で動いていると考えられています。

古典「難経」より二十五難曰
二十五難に曰く。十二経があって、五臓六腑は十一しかありません。残る一経はどのような経なのでしょうか。
然なり。この一経は、手の少陰と心主との別脉です。
心主と三焦とは表裏をなし、ともに名前はありますが形はありません。
ですから経脉には十二あると言います。

五臓五腑に三焦と心包を足したものが、六臓六腑であり、三焦と心包は形のない働きです。
心の君火が、心包にに移り、相火となり、太陽膀胱経から、少陰腎経に入り、腎の陽気(命門の火)となります。その腎の命門の火と精水とが、中焦の火を動かし、その熱でまた心の陽気を作ると言われています。 

まとめ
夏のお話として、お伝えできることは、夏は夏らしくという事です。私たちはエアコン、扇風機など環境が整っている分、陽気の発散が中途半端にしかできず、身体に熱がこもった状態になり、病気になってしまう人もいます。
特に今年は節電も意識しなければなりません。
暑い夏を暑い夏らしく過ごすこと(もちろん熱中症対策も必要ですが)で、自分自身の熱を発散できる力をつけるのが夏の養生です。
カレーを食べるインドの習慣に匹敵するような、養生、そして、暑くなりすぎた時の、苦味の摂取の仕方など、お薬以外の部分でも、店頭でお伝えできればと思います。