腎の働きは、現代医学で言うと単に血液のろ過装置や水分調節の臓器でありますが、漢方での腎の生理機能はとても広く重要です。腎は生まれながらの生命力の源である腎精を貯蔵し、成長、発育、生殖、老いなどの一切の生命現象を支配調節しています。
◆腎の性質を知るために、まず 腎に関する漢方の言葉に触れてみませんか。

「腎は精を蔵す」といいます。
精とは人体の成長、発育、生殖及びその他の臓腑の生理活動を維持するエネルギーの事で、腎はその貯蔵庫として働いています。また、腎の精が表現される部分は髪ですので、年を取って腎の気が衰えてくると毛が抜けたり、白髪になってきます。
 驚いたり恐れたりすると腎が弱ります。びっくりして腰が抜けたなどといいますが、一瞬でも腎の気が弱ると下半身に力が入らなくなります。また、強烈な恐怖に襲われると一晩で白髪になるとも言われていますが、これも腎が弱った為に起こります。
 房事(SEX)過度も腎を弱らせますので、適度にたしなみたいものですね。

「腎は骨をつかさどる」といいます。
 骨の成長、発育、修復は腎の精気の働きによります。よって、腎の気が不足すると腰がだるくなり、骨の痛み、四肢に力が入らない、骨の変形やもろくなり、骨折しやすくなったり、骨折して治りにくくなったりします。老人の変形性関節症、骨粗しょう症などをきたします。

「腎は水をつかさどる」
 腎は水液の正常な代謝を維持する機能があります。これは現代医学の腎臓の働きと共通するところです。この働きが低下すると便秘や尿量減少を起こし、むくみ、下痢、尿失禁、早漏、遺精などが起こってきます。
「腎は耳と関係がある」
 聴覚は腎と関係深く、難聴、耳鳴りは腎の気の弱りからといわれています。

また、色では「黒色」が腎と関係し、顔色が浅黒くなってきます。加齢により顔が黒くなってくる方や腎臓病で顔色が黒ずんでくるのは腎の弱りを示しているという事でしょう。